子供を持ったことがない。
持ちたいと思ったことがない。
それでも、昨日、同じ舞台に三歳の女の子が立ち、一生懸命に歌を歌うのを聞くと、その愛らしさに抱きしめたくなる。

宮崎での童謡コンサートは、毎年どなたかをゲストに行われていると知った。
なので、なんで私がと、それこそ動揺(さぶっ)したのだが、シャンソンをお好きなお客さまもいると聞き、1時間のステージをする。

最後に、たくさんの子どもたちと二曲「たなばたさま」と「ふるさと」。
前述の三歳の女の子が、そりゃあもう可愛い声で一生懸命に歌う姿に、会場の皆さまも私もメロメロだ。

今回久しぶりに「生まれてきてくれてありがとう」を歌った。
湯川さんとつんく♂さんの作られた歌だが、藤原昌生さんのピアノに乗せて、優しく強い歌になった。
「どんな明日も怖くない」という歌詞が、また心に沁みた。
そうだ、どんな明日だって乗り越えてみせる。

前日の東京豪雨での影響で、帰りの便が欠航し、別の会社の飛行機で帰京。
着くと知事選の結果はもう出ていた。

今回の選挙は、本当に酷かった。
政見放送で脱ぎ始める人もいるし、聞いたこともないポーカー党というポスターが、貼りめぐらされていたり。
世も末じゃわいと、老人のようにつぶやきたくなった。

でも、どんな時代でも、したたかに強く柔らかく生きていかなくちゃなあ。
踏んばらなくちゃなあ。

そう、どんな明日が来ても。
負けるもんか。