お客さまは神様です。
これは言わずと知れた三波春夫さんの名文句だ。

この言葉が最近のカスハラ(カスタマーハラスメントの略)で、また登場するようになった。
お店などでの、理不尽な要求や怒り、暴力などのハラスメント。

ひどい時には店を閉めざるを得ないこともあって、そんなことがけっこう多くなっているらしい。

お客さまは神様ではありません、とコメンテーターなどが言うが、そんなこと当たり前で、三波春夫さんもそんな意味で言ったはずもない。

芸能は神への捧げ物から始まった。
そのことから、芸能に関わる人間は、自らを戒め精進せねば、ということだろう。
目の前のお客さまを神のように思えば、自ずと芸はより高みに近づく。
そりゃあとんでもないお客もいるだろうが、そこにこそ芸を尽くし心を尽くさねばならない。

芸能と、お店やほかのサービス業とはハナから違う。
居丈高な理不尽な客など、客ではない。
でも、この文句を言っている客も、誰かに同じことをされているのかもしれない。
周りまわりって、ハラスメントが繰り返される。

悪魔のカスハラ循環サークルが見えるようで怖い。