フォークソング、と大雑把にくくられるジャンルの先輩がたのMC(舞台上のおしゃべり)は、本当に面白い。

年齢は私よりちょっと上の、団塊の世代のかたが多いが、世の荒波を、歌を武器に生きてこられたのだなあと、そしてそれを笑いに変えていく術は、まったく見事だと思う。

シンガーソングライターでもある先輩方は、なんせ気の遠くなるようなナマのステージを続けられている。
そこで培われたスキルは、もう千手観音のようにあらゆる方向に対応する。

もちろん良いことばかりではなく、修羅場の日々も。
それを笑いに変えるのは、自分を客観的に見られるからで、それは自身を救うことにもなるだろう。

先日の大阪でも、そうした先輩方。
そして昨日は、テレビ収録で加藤登紀子さんとご一緒した。
十歳違いの登紀子さんは、言葉がとめどなく溢れるのを収めきれないような熱を持つ。
その熱は「伝えたい想い」だ。
どんどんどんどんその熱は温度を上げ、放射される時を待つ。

団塊の世代の先輩方とは、またちょっと違うが、胸を打たれるのは同じ。
若い時から世の中に認められ、それからずっとこの厳しい世界で生きてこられたことに、自分自身が歳を重ねるにつれ、敬意がいや増しする。

まだまだだなあと思う。
自分の在り方は、まだまだこれからだなあと思う。
いい歳をして、何一つ確かになっていない自分にガッカリするが、まあそれでもいい。
気づかぬより気づくほうがいい。

昨日登紀子さんとご一緒した歌は、ことのほか涙腺を刺激する歌で、登紀子さんの青春時代と私のそれがクロスした。
時代を懸命に生きること、それを伝えることに、目を開かれたような気持ちになった。
最後までファイト!そう言われたような。

今日はこれからコロムビアマンスリーライブ。
ずいぶんと久しぶりだが、楽しみだなあ。