ゴールデンウィークのはじまり。
といっても、何も変わりなく、どこへ行く予定もない。

両親が老いてから、そして、母親が家に一人でいるようになってから「休日」というものがまったくなくなった。
一日中一人でいられたのは、昨年夏の、あろうことかコロナ。
コロナだというのに、まるで夢のようにアッという間に数日が過ぎた。
(その間、友人たちに、母親の所にいってもらって、なんとかしのいだ)

その前の休日の記憶がインフルエンザだったから、自分が病気にでもならないと休みはないのだと、覚悟はしている。
でもその反対に、感染症は同じDNAを持つ親には、まさかというほどの確率で感染してしまう。
コロナもインフルエンザも、時間差で感染した親が心配で不安で、おちおちしていられない。
もはや、病気になる自由もない。

昨日は父親のホームに行き、ケアマネさんとこれからの話をする。
いつ再発してもおかしくない胆管炎は、爆弾を抱えているようなもので、昔なら死病になっただろう。
カテーテル処置は、父親の場合心臓にも二箇所。
本来なら、80歳で死んでいたかもしれない。

その父親は、カラダの不調もあって機嫌が悪い。
時々こうしてひどく不機嫌になり怒る。
もう理屈もなだめも通らないので、我慢しているが、時々こちらもキレる。
「父さんも母さんも長生きして、一番かわいそうなのは娘の私だよ!」
と、言ってはいけないことを言ってしまう。
(父の耳では聞こえないとわかっているし)

ボケ老人相手に、こんなこと言ってしまいましたと、ホームの玄関で見送りしてくれる女性スタッフ三人に告げると。誰も何も言わず静かに頭を下げる。
人が生きていくこと、老いていくこと、家族の苦しみ悲しみ、それと関わり見続ける人たちは、ただただ無言で優しく私を送ってくれる。

ゴールデンウィークかあ。
なんかいいこと、ないなかあ。