この人ほどの愛されキャラを持つ人を知らない。
タブレット純さん。

昨日、初めてご一緒したコンサート。
私のコンサートでは見たことのないペンライトが客席で揺れるのを見て、胸がザワザワワクワクした。
その予感通り、タブレットさんは、しっかりとした美しい声で歌いながらも、だんだんに破綻というか嵐のように笑いを繰り出す。

この人は、ふだんあのフニャとした優しい声で、どちらかというとコミュ症のような居住まいをしている。
舞台以外では、全部そうだ。
ハイ、ハイと呟くように返事をし、自分の周りに薄いタブ純膜を張る。
そのタブ純膜は、舞台に上がると、違うタブ純膜に変わる。
そのあたりがとてもオモシロイ。

人前で芸をする人は、歌い手でも俳優でも、良いところを見せたいと思う。
美しくかっこよく若く素敵に。
それがタブレットさんは、違う。
破綻を見せる。いや、魅せる。

怖いものなしだなあと思う。
うらやましくなる。
でも、誰もこんなことできない。
そしてそんなタブレットさんを、みんな愛してしまう。
人の持つ警戒心を、あれれと取っ払ってしまう。
稀有な人だ。

この人と同じ舞台に立てるうちは、私もまだまだ大丈夫な気がする。
そんなことを思わせる、ほんとに摩訶不思議な人。
またいずれ。きっと。

そしてお客さまにお詫びを。
思いの外終演時間が伸びてしまいました。
遠方から来て下さったかたも多く、お帰りの便などにご迷惑をおかけしたかもしれません。お許しください。