今度の土曜日に放送されるBS朝日の「人生歌がある」。
今回、特別コーナーとして菅原洋一さんの歌たちを数人でデュエットを。

私は「愛のフィナーレ」。
なかにし礼さん作詞、宮川泰さん作曲の名曲だ。
名曲は歌い手あってこそ。
歌と歌い手の幸せなマリアージュは、まったく菅原さんあってこそ。そして時代あってこそなのだろう。
60年代70年代には、こういう大人の愛の歌が、まだたくさんあった。
歌謡曲でありながら、外国曲のようなロマンティシズムを持つ歌が街角に流れた。
その代表的歌い手が菅原さんで、あの深く艶のある、まさに大人の色気のある歌を、子供の私でさえ口ずさんだ。

あなたの過去など知りたくないの、などと子供がいっぱしに歌っているのも、今思えばオモシロイ。
こうして子供は背伸びしながら大人の歌に触れた。
歌詞の内容は、こちらの歳とともになるほどとわかることも多いが、今回の「愛のフィナーレ」では、最後の部分で泣きそうになった。

「ひとりぼっちの私のために」
去っていく恋人を前に、主人公は彼との思い出を胸に抱く。
それを支えに生きようと決める。
だから後悔なんかしない。
思い出はいつまでも生き続ける、ひとりぼっちの私のために。

ひとりぼっち。
この言葉がずんと胸に響いた。
私の人生(そういえるなら)が、やっと歌に追いついた。
そんな感じか。

人は誰でも一人、ひとりぼっち。
そうアタマで理解はしていたが、まさか歌っている最中に、こんなにキワマってしまうとは。
ああ、そうかそういうことかとストーンとわかってしまったというか。なんとも説明の仕様がないのだが。

ひとりぼっち。
この言葉と、これから長い長い付き合いになりそうだ。