歌い手になって、ご縁ができたことは多いが。
その中でも、ニッポン放送さんには特にお世話になっている。

20年以上も前に「わが麗しき恋物語」を、上柳さんの番組で流し続けていただき、そこからクミコという何とも殺風景な名前が、少し世の中に出ることになった。
それ以来、なんだかんだとご縁は続き、その後はいくつもの「オールナイトニッポン」コンサートにも。
それまで、学生時代に口ずさんできた歌を歌われている方たちとご一緒に舞台に立ち、打ち上げなどというのもあったり。
光栄で楽しい時間だった。
とまあ、本当にお世話になりっぱなしだったわけだ。

昨日は、大阪での「あの素晴らしい歌をもう一度コンサート」。
岡林信康さんや北山修さん、杉田二郎さんなど、レジェンドを中心に、なごやかに楽しい、まるで大きな同窓会のようなコンサートだった。
もちろんお客さまも、その同窓会の一員なわけで、それぞれの生きた若き日々と歌とが重なり合う様は、なんともいいがたい熱さがある。

驚いたのは、出演者に昭和21年生まれの方が多く、私と坂崎幸之助さんの昭和29年と、戦後10年の初めと終わりを、今さらに知ったことだ。
そうかそうだったのか。

フォークソングのレジェンドたちは、焼け跡から生まれ、育ち、歌い、生きてこられたのだなあ。
いっぱしに歳をとったと思っていたが、私などまだまだだなあ。

唯一、まったく若い林部智史さんもご一緒に、全員で名曲を歌う。
イムジン河、遠い世界に、花嫁、風、そして最後はもちろん、あの素晴らしい愛をもう一度。

走馬灯のように若い日が廻る。
幸せな時代を生きてこられたことの幸せ。
そこに歌える歌があったことの幸せ。
時代と、支えてくれた人達への感謝は尽きない。

さあて、これからが正念場だなあ。
どう生きるか、どう歌っていくか。
その道は、きっと長く厳しい。
今日までそして明日から、だなあ。

とりあえず今日はこれから母親の訪問診療。
先生をお迎えせねば。