「新日本風土記」という番組を、私も時々見ることがあった。
そこで、石巻の牡鹿半島が取り上げられ、その上映会とイベントが。
そこに、私も参加することになった。

牡鹿半島は、あの震災のとき、相当な被害があったのに、救助の手が届かなかった地域。
今の能登半島の状況と同じだ。
美しく海の幸に恵まれた半島は、半島ゆえに孤立してしまう。

あの当時、知人のデザイナーSさんが、それこそ孤軍奮闘のように、物資を募り運んでいたことを思い出す。
大変なことだった。
そこで、Sさんが言っていたことが。
漁師さんたちは、なかなか心を開いてくれないけど、信頼されるとそれはそれは熱い人たちなんだと。

そんなことを、昨日、牡鹿の方々とご一緒しながら思い出した。
年配のご婦人たちが踊る七福神や、再開した鯨漁の漁師さんや、インドネシアから来ている若い実習生や。
あの美しい海と共に生きる人たちは、生半ではない。
厳しい自然との共生は、人に大きな覚悟を持たせる。
何があっても、そこで生きる覚悟。

任された時間に四曲歌った。
そのうちの一曲が「ヨイトマケの唄」。
この歌を歌っていて良かったと思うことばかりだが、ここでもまた。
汗水流して生きている人たちに恥じない歌を、歌うことができた気がした。

久しぶりに会えた石巻の友人もいて、再会を喜び合い、仙台へ。
牛タンをかきこみ、新幹線に。

さ。今日こそ、父さんの所に行かねば。
汗水流して働いた父さんに会いに行かねば。