これから、今年最初の訪問診療。
月に二度、暑さにも負けず寒さにも負けずと、自分にハッパをかけ出かける。

この訪問診療、病院経営には欠かせないものになっているらしく、うちのように、歩けなくなった老人を抱える家庭が、それほどに多くなっているということなのだろう。
あっちでもこっちでも、このシステムを取り入れる病院ばかり。

ただ、処方された薬が、もうちょっとほしいと思っても、それはできない。
医師の診断なしに処方箋は出せないという、思えば当たりのことなのだが、こっちとしては、別料金になるのにわざわざそんなと思ってしまう。
それほど安くない、いや、けっこうな値段なのがこの訪問診療なのだ。
歳をとるのは、お金がかかる。

出がけにつけたテレビで。
能登でビニールハウスに避難している方々が皆さん老齢なのを見て、胸が痛む。
「大丈夫でしたか?」と尋ねる記者に、敷き重ねたゴザや毛布を見せ「大丈夫」と答える気丈さに、余計胸が痛む。
こんなこと、うちの老親だったらと重ね、もはや言葉がない。

寒い寒いなど私が言っていてどうする。
さ、腹に力を入れ出かけよう。