母親と二人になって三回目の元日。
どんどん簡単になっている。
母親の好きな明石タコと、日本橋神茂のカマボコと、築地の卵焼きだけ。それにお雑煮。
まあ、すっきり。
ホントのおばあさんと、おばあさんになりかけの二人には、これでちょうどいい。
ホームの父親のことを話しながら、食す。

母親がうつらうつらしていると、突然地震。
けっこう長い。
テレビをつけると能登で大地震が。
金沢には知人も多いが、おそらく無事だろうと、心配メールが殺到していることを思い控える。

私が生きてきた中では、阪神淡路大震災と東日本大震災が、いまだに心の大きい場所を占めている。
地震の前と後。そのことを時々思う。
一秒前には普通だった日常が、一秒後にはすっかり変わってしまう。
そのことを時々思う。
いや、ずっとそのことを考えながら生きてきた気がする。

で、今朝。テレビには駅伝が。
この時にしか流れない手の込んだコマーシャルもあって、駅伝はすでに巨大化している。
でももし地震が東京だったら、神奈川だったら。

晴れやかな正月に、この一年がもしかして「なまなか」ではないような憂いが覆う。
しっかり生きなくちゃ。
とにかくしっかり生きなくちゃ。