朝の連ドラ「ブギウギ」は、大好きな笠置シヅ子さんが主人公。
趣里さんも素晴らしくて、言うことなし。
お顔や足つきなど、あ、これってお母さん似、と思えば、その軽妙な間のとりかたや声の強さなど、さすがお父さんの血、と勝手に感心している。

笠置シヅ子という人が歌を歌う人だと、子供の頃は知らなかった。
「台風家族」というドラマが好きで、そこに出てくる太った大阪のおばちゃんというイメージしかなかった。
しかも「カネヨンでっせ」と磨き粉を手にしたコマーシャルもあった。
だから、「この人はね昔、歌手だったのよ」という母親の言葉が信じられなかった。

まさかねえ、カネヨンのおばちゃんがねえ。
ところが、それは本当だった。
高峰秀子主演の「銀座カンカン娘」という映画で、笠置シヅ子は、歌い踊っていた。

日本のくくりの中に収まりきれないようなエネルギーを持ったこの人が、どうしてカネヨンのおばちゃんになったのか。
興味は尽きず、その歌も歌ってみた。
すごいなあ、すごいなあ、こんな人が戦後の日本にいたんだ。
途方もないエネルギーと明るさ、自由で奔放。
こんな人がいたんだ。

その人は、その前座で現れた美空ひばりに、やがて女王の座を渡してしまう。
時代が変わったのだろう。
でも、笠置さんは、私の中では特別な存在だ。
自由奔放を武器にできた人なんて、そうそういない。


このドラマが始まった時、この人の一生ってどう描くんだろうと思った。
私などにはカネヨンのおばちゃん時代ばかりが鮮明で、華やかな歌手時代をどこまで引っ張れるのだろうと思った。
それはまだまだわからない。

心配になってウィキで笠置さんを調べてみると。
(こうして、かえがえのないその人の人生を簡単にひとまとめに読んでしまうのだ)相当に苦労の多いものだったとわかる。

驚いたのが、亡くなった場所も眠っている場所も、近所といえば近所といった場所だったこと。
笠置さんは、東京で亡くなっていたのだった。

笠置シヅ子という人への想いは募るが。
いやいや、今日は私のコンサート。
今日明日の二日間、東京でのコンサート。
一曲目が笠置さんの「私の猛獣狩り」。
口がきちんと回りますよう。
笠置さん、頼んまっせ。