おととい。
タブレット純さんのラジオ番組にお招きいただいた。
タブレットさんとお知り合いになったのは、クイズ番組だった。
クイズなんて嫌だ嫌だ、もう頭が回らないんだからとゴネるのを説得され、席に座ったら隣にタブレットさんがいらした。

不思議な静けさをたたえたこの人が、ギターを持って歌い出すと一転。
朗々とした美声。
な、な、何なんだこの人。
それが初対面だった。

次がテレビの歌番組収録で。
そしてその次がいわゆる「サシ飲み」。

本当は三人でのはずが、一人欠席で、二人だけ。
個室というと聞こえはいいが、どこか朽ちた感じの一室で、数時間。
何を話したか正確には覚えていないのだが、なかなかに趣ある一夜になった。

かなり変わっている人であることは周知だろうが、愛される人であることもまた。
私の女性スタッフなど、初めからゾッコンで、ああいう男性がいいですと言う。

今は、男っぽい人が、昔ほど好まれない気がする。
男らしいことが、良いことにはならない。
デカくて強くてというのが、好戦的なイメージにも重なるのは、時代のせいもあるだろう。

そこへいくとタブレットさんは、ご自身の道をひょうひょうと歩いている。
いや、揺れ動く柳のように、頼りない風情だけど柔らかく、柔らかいから折れない、そんな生き方のように思える。

こういう感性が多くの人の共感を呼ぶのだろう。
来年、ご一緒にコンサートをしたいですねと話した。
また、楽しみが増えた。

柔らかいことは、守りになる。
硬いものは折れるが、人もまた。
柔らかいものは強い。