老人介護で一番の問題がシモの世話なのだと思う。
父親がまだ家にいる頃、体調の変化もあって、次々に問題が起きた。
その頃は、近くに看護師の友人がいたので、とにかく助かった。
一人だったらどうなっていたか、考えられない。

食べて出す。
生き物として当然の仕組みが、どれほどスゴいことか。
どれほど大きなことか。
赤ちゃんから子供、そして、ぐるりと回って老人。
いつでもこの問題が立ちはだかる。

施設にお世話になるというのは、まったく、このことをしていただくということだ。
自分でしていたらおそらく家庭崩壊してしまうことを、プロにお任せする。お願いする。

昨日訪ねたホームでの父親は、身綺麗にしているが、その姿の裏側の仕事がどれだけ大変なことかと、いつも感謝する。
「こんにちは」と挨拶してくださる職員お一人お一人に「いつもありがとうございます」と、言葉を添えずにはいられない。

今朝、ホーム長さんから、父親の様子の変化を知らせてくれる電話があった。
夜勤のスタッフからの申し送りがあったのだろうが、仕事とはいえ、想像しただけで、その労の過酷さに頭が下がる。

父親は父親で、懸命に生きている。
昨日は、その頬を撫でてきたばかりだ。
父さん、生きてるって大変なことだね。

遠くガザでは、今まさに多くの命が震えている。
命の灯が集中攻撃のまえで震えている。
そのことを思うと、父さんは幸せだとも思う。

ただ、心が重い。