ハマスのイスラエル攻撃があって、その映像や報道を見るのを避けようとしている自分がいる。
ロシアのウクライナ侵攻の時と同じに、どうしようもない悲しみが苦しみになって、それらに自分が乗っ取られるような。
それを避けたい。
ナサケナイと思うが、真っ向から見続けることができない。

先だってのコンサートでアンコールに「愛の讃歌」を歌った。
岩谷時子さんの歌詞は、言わずと知れた「あなたの燃える手で」で始まるものだ。
もともとのピアフの歌詞とは違うが、岩谷さんのこの歌詞でなかったら、この歌はこれほどに歌われることはなかったろうと思う。

あなたと私しか出てこない。
睦み合う二人の愛の歌。
歌いながら、これって誰もが望むことだよなあと思った。
愛する人と一緒にいたい。ずっといたい。
どの国のどんな人も、望みはこれなんじゃないか。

誰もがそう思うのに、戦いが起きる。
なんなんだ、これ。
怒りが湧いてきた。
歌いながら、お腹の中にどうしようもない怒りが湧いてきた。
なんなんだニンゲンてやつは。

世界は愛に溢れている。
どこかでそれを信じながら、人は生きている。歌を歌っている。
憎しみが大手を振って歩く世界なんて嫌だ。
そんなの絶対、嫌だ。