久しぶりにお台場に向かう。
やはり海風が強く、なぜか人が少ない。
埋め立てて造られた街は、人が少ないと本領発揮のように、不思議感が増す。
キリコの絵のように、光と影がくっきりする。

放送局ではコロナ前にあったケータリングが復活していた。
弁当ではなく、決まったフロアで、食べるものを選ぶ。
私はキーマカレーと海鮮炒めを選び、少なめのご飯の上に乗っけてもらう。
それにキャベツの千切りと漬物が添えられる。
あったかい食事がうれしい。

街中ではいまだにコロナもインフルエンザもあるが、それでも少しずつ元に戻っている。
しばらくぶりにお会いする方々とも、あれはいつ頃でしたかというと、もう四年が経っていたりする。
コロナの三年間は、大きな河のように誰の間にも横たわっている。

海辺の街から有楽町へ。
ここでも、失った三年間に驚きながらの再会。
あっちでもこっちでも、やっと顔全部を出して再会を喜び合えるようになった。
長い、長い日々だった。

これが戦争でなくて良かった。
戦う相手が人でなくて良かった。

仕事終わりに、四人でふらりと食事に行く。
こんなこともできるようになったのだ。
それでも、混んだ店は避ける。
すぐ手を洗う、消毒する、すべて習慣になった。

明日は神戸でコンサート。
幸い天気も良さそうだ。
さて、まずは無くなった骨粗鬆症の飲み薬をもらいに行かねば。
二錠をぎりりと噛み砕き、始まる一日だ。