数日留守にしてしまったので、一人の母親のもとに、知人たちに行ってもらった。
一日中一人というのは心配だ。

こういう、話し相手だけの介護というのが、ケアマネさんに聞いてもないのだ。
洗濯とか掃除とか食事作りとかがないと、介護保険は使えない。
何もしなくてもいいんです、といわれても困るということだろう。

母親も、何も知らない人と、さて何を話すとなってしまう。
なので、どうしてもイトコや友人を頼むことになる。
電話をかけてくれる方もいるので、本当に助かった。

とはいえ、娘が帰ってくるのは嬉しいらしい。
このところ、ずいぶん体が衰えたせいか、益々嬉しいようで、昨日などうたた寝をするその姿に胸が絞られるような気持ちになった。

夜。
通販会社から送られてくる小冊子の中の「ペコロスの母に会いに行く」という漫画を見ていて、涙した。
亡くなった母親の気配を感じる主人公、そしてその母親も生前、亡くなった夫の気配を感じていた。
ああ、そうか、と主人公は気づく。
「俺の生きとるていうことは、母ちゃんも父ちゃんも居るという事なんやね」
と、信号の向こう側に立つ、亡くなった両親姿を見ている。

今回のペコロスは、もう涙回で、読むたびボロボロ泣く。
きっと、私が変わったのだと思う。
少しずつ少しずつ変わったのだと思う。
それだけ母親が少しずつ少しずつ老いていっているのだと思う。

今日はその母親の訪問診療。
何でまだこんなに暑いのだ。
タオル首にまいて、行ってこようっと。