職業に貴賎はない。
人にも貴賎はない。
あるとすれば、職業に貴賎をつけようとする人が賎しいということだ。

ネットを見ていたら、底辺の職業順位というのがあって、それが大批判されたというニュース。
その職業はどれも、カラダを張って人々の生活を支えるものだ。
これをテレビで取り上げること自体、失礼な話だが、そのことに怒って、私もいったんは批判ツイートを書き込んだ。
でも、と思い直した。
こんなものを、批判という形にせよ、拡散していいものか、と思った。
少なくとも、その職業ランキングをまた人の目にさらすことになる。
で、すぐに削除したのだが。

これをたまたま見てくださっていた方からツイートが寄せられた。
自分は27年間トラックドライバーをしていて、その仕事に自負を持っている、なぜ削除されたのか。というお尋ねだった。

すぐに前述の私の主旨をお答えした。
底辺の職業などという、その言葉をこれ以上世の中に出したくないというか、そんな言葉を口にしたり文字にすることだけでさえ、恥ずかしい。

額に汗する仕事。それらが底辺というなら、歌い手などなんなんだ。
介護の仕事も工事現場の仕事も、誰かの役に立っている。
私など誰の役に立っているというのだろう。
そんなやりきれなさで、胸が詰まる。

いや、そうじゃない。そうじゃないんだ。
どんな仕事も尊い。
みんな社会のピースなのだ。
誰も小さい小さいピースなのだ。
たとえ、何の役にもたっていないと思っても、あるいは、何も仕事ができないと言う人も、生きてそこにある、それだけで尊い。


「そんなことさえわからんようになったんか」
上田正樹の「悲しい色やね」の歌詞が口をついて出た。