父親のホームに行く。
半年に一回の、スタッフ面談というか、ケアプランの見直しというか、まあそういうもの。
ケアマネさんを中心に、ホーム長さん、介護士さん、看護師さんたちが、この半年の父の変化などを報告してくれる。

半年かあ。
この数ヶ月で、会うたび、脚の弱くなっていくのがわかる。
これじゃ、まるで病人じゃんみたいな様子で、抱えられるようにエレベーターから降りてくる時もある。
そのたび、胸が締めつけられる。

スタッフの方がたの報告は、なるほどと納得できるものばかりで、こうして人は老いていくのだなあとわかる。
皆さんは、それぞれ長く介護に携わっているので、ある意味「慣れて」いるだろうと思うが、そこが人間の奥深いところらしく、一人一人みな違うことを知ることが仕事のようにも見える。
誰一人、同じではない。

父の様子を聞くにつけても、これだけお世話になっているのだと頭が下がる。
私一人では、もはやどうにもできない。
一年半前、父と一緒に、ホームからの迎えの車に乗った日のことがよぎる。
あんなにツラい日はなかった。

あれが、私の人生一のツラい出来事だと思っているが、もしかしたらまだあるのかもしれない。
いや、きっとあるんだろう。
その時のために、今から準備しよう。
腹の奥に、強い肝っ玉を持とう。

これから続々と「別れ」はやってくる。
さよならだけが人生さ。って言葉通り。
「さよならだけが人生ならば、人生なんていりません」って、言ったのは誰だっけ。