竹を割ったような夏だ。
キンキンに暑い。
そんな時、ソフトクリームが食べたくなる。
あの濃い脂肪分をカラダが欲しているのだろう。

事務所近くのカフェに入ると、お坊さんが迎えてくれた。
あ、そうだったここ寺カフェだった。
出てきたソフトクリームを食べながら、ジリジリとした真夏の舗道を眺める。
この暑さはどこまで行くのだろう。
そろそろニンゲンの限界を超えるのではないか。

ニンゲンはそれでも冷房の中にいられる。水も飲める。
そこへいくと街路樹はかわいそうだ。
あちこち枯れかけた植物を見ると、せめて自分の家や店の前の植物に、水かけしてあげればいいのにと思う。

近所の、猫には過剰な愛情を注ぐ家の、その前には息も絶え絶えな植え込みがある。
みんな生き物なのになあ。

夜、その遊歩道で水やりをしている人がいる。
大きなペットボトルに水飲み場から水を入れ、草花に撒いていく。
ご苦労さまと言いたくなるが、それは違うだろう、ありがとうございますだろうとか、すれ違うたびに心がわらわらする。

親の家の鉢植えも、もう大変だ。
夏がこれでもかと襲う。
そのたびしゃああと水をまき、雑草にまで水が届くよう大きな放物線を描く。

過酷な夏だ。
みんなで一生懸命生きねばなあ。