朝のNHKラジオにおじゃまして、今帰宅。
今日がCDリリース日ということで、こんなありがたい機会をいただいた。
アナウンサーの方と司会を勤められる伍代夏子さんは、朝でも夜でも美しい。
皆さまのご配慮で、無事終了。

CDから、「時は過ぎてゆく」はフルコーラス、そして「ヨイトマケの唄」も、初めのほうを流していただく。
なぜ今この歌を、と尋ねられると、答えているうちに涙腺が緩んでくる。
今はホームにいる父親が浮かんでくるのは、彼が、この歌の主人公と同じエンジニアのせいだろう。
そして彼らが生きた時代は、まさしく昭和。
誰もが貧しかった時代。

同じ国に生まれ、同じ空気を吸い、「今」という時代を生きることに、時々ふうとため息のような息を吐くことがある。
それは諦めでもないし絶望でもないが、なんだかふうと息を吐く。

私の脳裏には、まだそこかしこに、雨が降るとびちゃびちゃになった道があるし、迷路のような路地があるし、煙を吐く工場があるし、得体の知れない人々がいる。
私は今どこにいるんだろう。

新しいCDには、二曲に加え「わが麗しき恋物語」と「幽霊」のライブ音源が入っている。
続けて4曲聴き、また息を吐いた。
もうこれでいいと思えた。
自分という歌い手は、これでいい。
自分の来し方が、きちんと見えた。
私も、一生懸命生きてきたなあと思えた。

CDの入っているブックレットには残間理江子さんのエッセイが入っている。
これがとてつもなく素晴らしい。
読み進むうち、顔を覆って泣いている自分に気づいた。

過ぎゆく時を愛おしむ歌たちを、皆さまにもぜひお聴きいただきたいと思っています。