「愛の讃歌」という歌がある。
全世界的名曲でもあるし、そのメロディは、いまだにCMソングとしても流れる。

これは、エディット・ピアフが歌ったものだが、詞の内容は濃い。
愛するあなたのために、私はなんでもすると言っている。
髪も黒く染めるし、国だって裏切る、あなたが望むなら。と言っている。

この歌には背景があって、その頃ピアフはマルセルというボクサーと熱愛中だった。
しかも彼には家庭があった。
妻と数人の子供がいた。

そして、アメリカにいたピアフは、ヨーロッパでボクシングの試合を終えた彼に、船ではなく飛行機で来ることを望む。
一刻も早く会いたい、そのために。
そうして、その飛行機は落ちた。

残ったのは、ぼろぼろになったピアフと「愛の讃歌」だった。
そして今でもこの歌は崇高な愛の歌として存在する。

愛はすべてに勝る、愛は勝つ。
とこの歌は言う。
たくさんの涙が流された後でも、やはり愛は勝つのだった。

家庭のある女優さんと料理人の恋愛騒動を知った。
他人がどうこういうことでもないし、いいたくもない。

ただ、この女優さんが、これから素晴らしい作品を残してくれたらいいと思うし、料理人の人も、さらに目の覚めるような料理を作ればいい。

「愛の讃歌」は、歌だけではない。
どんな泥の中にでも、いや、そんなところにこそ、生まれるものかもしれない。
そうでなくちゃ、愛の意味がない、愛がもったいない。