右腕のリハビリ。
かれこれ三ヶ月目に突入。

若い理学療法士の先生に聞いてみた。
「これって、どこまでいったら終わるんですか」
答えはだいたい想像していた。
「ご自分でもういいかなというところまでです」
ところが、彼は言った。
「ゼロまでです」

ゼロ!ゼロってゼロ?!
そんなことありえるのだろうか。
私の驚いた様子に若き先生。
「信じられません?」
自分のやり方、自分に対して不満があるのだろうかと、マスク越しの目に気色ばんだ様子が見える。
このあたり、やっぱり若い。

「いえ、若い頃ならきっとゼロが信じられるでしょうが、この歳だと、痛みとかは共存していくって感じなんですよね」
これまでもそうだ。
何かの欠損は、そこをまったく補えたと思えることはない。
元に戻るっていうのは、若い時にしかありえない。
それはもう今は幻想といっていい。

若い先生の熱意は認めるが、まあ、ゼロはないなあとやっぱり思う。
とはいえ、月替わりのリハビリ計画書にサインをする。
今月もまた週一の通院。

やってみるか、ゼロ。
アタマの中に「永遠のゼロ」なんてタイトルが浮かんだ。