父親のホームから持ち帰ったカーディガンを洗う。
先だっては毛、今日は綿。
どちらも濃紺。

思えば私の着ているものも濃紺が多い。
白とぺールグレーと紺ばかり。
学生の時には、あんなに紺が嫌いだったのに。

学生服の紺は気の毒だ。
本来ステキな色なのに、どんなに汚れてもすぐに着替えることもできないから、拭いていくうちにどんどん色褪せていく。
学校が嫌いなので、制服も嫌い、紺も嫌い。
とまあ、紺色にとっては災難なことだ。

父親のカーディガンを洗っていると、時々きらりと白い毛が光る。
洗う前に点検しているのに、どこかから白髪が出てくる。
母親の服もそうだ。
柔らかい白い毛は光りはせず、しんみりと服にくっついている。
父親のものも、母親のものも、きちんと取って捨てる。
だんだんにその数が増える。

親は重い。
親のことを思うのは重い。
時々、つぶれそうになる。
この人たちより長生きせねばと思うと、よけいつぶれそうになる。

今日はこれからレコーディング。
歌録り。
少しつぶれた心とカラダが、それこそバネのような反動で起き上がってくることを思う。
今日、この日の歌が記録されることを思う。

さ。出かけようか。