朝。
母親の訪問診療を終え、ホッとしていると、父親のホームからの連絡。
血液検査で肝機能数値が非常に悪い、すぐに病院へとのこと。

胆管炎の再発だなと思った。
緊急外来に自転車を飛ばす。
ホームの職員の女性が付き添ってくれている。
心強い。

思えば、昨年末には膀胱ガンでの入院。
それからわずか4ヵ月。
ううむ、手ごわい。
老いは手ごわい。

入院だけは避けたかった。
これまでも、入院したものの、追い出されるように早く退院してきた。
それほど認知症のある老人は手ごわい。
その旨を医師に伝えるが、胆管に詰まった「石」は取り除かねばならぬ。
で。今回は超音波で石を砕くだか除くだか、そんな方法をとることになる。
それなら入院はごく短くて済むらしい。

また例によって面倒臭い入院手続きで時は過ぎ。
その「簡単な手術」を終え、麻酔でぐっすり眠った父親を見送ったら、がっくり力が抜けた。
もう夕方だ。

心配している母親のもとへ、自転車を飛ばす。
これでまた再発は続くのだろう。
どこもかしこも、病のモグラ叩きのようだ。

老いは手ごわい。
死ぬのは手ごわい。
天国への道は、本当に手ごわい。