朝ドラが今日で終わり。
空を飛ぶ夢を持つ主人公だったが、私とて空にいる飛行機を見ると胸が熱くなる。

札幌からの帰り便。
機内への通路で、良いものを見た。

お父さんの腕に抱かれた子供が、外に向かって手を振っている。
「良かったね」とお母さんが子供にいうので、よく見るとコックピットの中から、全員が手を振っている。
子供はコックピットのスタッフに向けて手を振っていたのだ。
機長さんたちも、笑っている。
みんなうれしそうだ。

この子供、そして家族、それからすべての人たちの命を預かる仕事。
なんとすごいこと。
と、いつも乗るたびに思う。

バスとて同じ。
若いころ、日光のいろは坂で、くねくねと急カーブを曲がるたび、ああ、私にはこういう仕事は無理だと思った。
人の命を預かる仕事だけは、できない。

そして「歌うたい」になったわけだが。
命を預かる大任はないが、もしかすると魂と関係する仕事のような気はしている。
なので、自分自身が魂を磨かねばならないだろうとも思う。
それは思うより、もっともっと地道で辛抱のいることだと、最近少しわかるようになった。

そうそう。
辛抱といえば、冬眠から覚めて庭の水道栓箱から出て行ったカエルが、また戻ってきた。
箱の中がよほど安心できるのだろう、くつろいで寝ている。
おいおい、お前、これからどうする、と言ってみてもカエルの面にしょんべんの例え通り。
どうも辛抱のないカエルのようだ。