今日3・11に被災地に向かうのは、ずいぶんと久しぶりだ。
12年前のあの朝と同じ、晴れた東京から新幹線に乗り込む。
遠い思い出ではない。ついこの前のことだ。
めまいがしそうになるほど、ついこの前のことだ。
今日は、仙台から石巻を通り越し南三陸に向かう。
3階建ての防災庁舎が、津波に飲まれ、屋上に避難した多くの人たちの命が奪われた街。
その事柄は、これまでもたくさん見聞きしていて、鉄骨だけになった庁舎の姿に胸が苦しく、でも、自分がそこに行くことは想像できなかった。
いや、想像したくなかったといっていい。
避難してください、逃げてくださいと繰り返す女性職員の声、その声の記憶だけ残された悲しみ。
そんな所にどうして行くことができよう。
昨年、同じようにどうしても行く覚悟ができなかった石巻の大川小学校に行った。
そこで遺族の方とお会いできた、現場と向き合うことができた、そのことを思いだす。
今日も、だから、一生懸命向き合う。
消えた声を聞く。消えた命、消えた街を思う。
そして、復興をとげつつある今を見る。
午後2時半から、NHK総合で放送されます。何がどう見えるのか、わかりません。
ただ、耳と心をすませます。