歌人の俵万智さんが、NHKの「プロフェッショナル」に出ておられた。
俵さんは、以前当時の新曲についてコメントをお願いしたことがある。
ただ実際にお話をしたことも、したがって、お声を聞いたこともなかった。

そうか、この方は関西弁の話者だったのだと知る。
大学も早稲田、高校教師をされていたデビューの頃も、関東圏だったので、勝手にこんな感じと想像していた。
それがまったく違った。

面白かったのが「めっちゃ」を連発して話すこと。
言葉に神経を注ぐ歌人が、めっちゃめっちゃと言うのが、なんともおもしろい。

私は「めっちゃ」をまったく使わない。
それはただ単に関東圏で生まれ生きてきたせいなのだろう。
「めっちゃ」は、どちらかといえば芸人さん仕様の言葉のような気がしていた。
少なくとも若い人の言葉だろうと思っていた。

私の場合、「めっちゃ」は「すごく」か「めちゃくちゃ」に置き換えられることが多い。
で、俵さんの「めっちゃ」に、そうか、これは関西言葉なのだと、あらためて納得したのだった。

俵さんのアタマには、つねに言葉がある。
言葉を動かすことはココロを動かすこと。
言葉とともにある人生だ。
そんな俵さんにとって「めっちゃ」は、それこそめっちゃ便利な言葉なのだろうなあと思った。


「めっちゃ」は頭にアクセントが来るのが正しいようだ。
今朝、若いアナウンサーが「ち」にアクセントを置いていたが、なるほど関東圏の私たちならこう言ってしまいそう。
「めっちゃ」一つとっても、奥が深い。
言葉はまさしく文化なのだなあ。

俵さんの短歌は、やっぱりうなる。
ああ、そうだとうなる。
入り口が広く奥が深い。
生きていることが、意味あることに思えてくる。

めちゃくちゃいいです。俵さん。
(やっぱり「めっちゃ」は使えないなあ。私)