歳をかさねてわかったこと。
それは、年寄りの気持ちがわかってきたこと。
そんなの、あったりまえだろと言われそうだが。


起きると、まずカラダが痛い。
右腕肩の痛みは、場所を変えながら続いているが、医者に行くのもメンドクサイ。

で、朝、あちこちがバリバリで、生きてるってほんと大変だわと思う。
で、もうすぐ95歳の母親のことを思う。
そりゃあ、どんだけ大変だろ。

耳も遠くなるいっぽうだが、私もいるせいか、テレビの音量をそれほど大きくしない。
だから、どうも内容を正しく理解していないふしがある。
トンチンカンなことを言うのを聞くと、抱きしめたくなる。

弱みを見せるのが恥ずかしい、嫌い、そんな人だが、この頃柔らかくなってきた。
犬や猫が、もうお腹見せちゃえの感じにも似ている。

そうなのだ、もうお腹見せちゃえがいいのだ。
そうすれば、こちらはちゅうちょなく世話ができる。
相手のプライドがどのあたりにあるのか、それを測り続けるのも、だんだんしんどくなってきた。


こうして、前期高齢者は、後期高齢者を支える。
その前期高齢者は、コンビニなどでも、自動支払い機の前で立ち尽くすし、タブレット注文のファミレスから足が遠ざかった。

ああ、これが年寄りになるってことね。
ふむふむ。たしかに大変なことだわ。
でも、どっこい、「しぶとく生きるのよ」と、美川さんの名言を思い出すのだ。