ずっと東京を離れて暮らしておられる長谷川きよしさん。
音楽活動もお休みされていたが、三年ぶりに開始。

そのライブを拝見しに上野に行く。
地下鉄ではなくJRの上野駅に着く。
会場へは不忍口がいいのだが、あえて中央口へ。

中央口への通路は、ずいぶんときれいになってはいたが、あの極端に低い天井の梁はそのままで、危険防止の黄色と黒のガードが張り付けてある。
あの梁を見ると、まるで背比べの柱のような気持になる。

両親の故郷水戸への常磐線ホーム。
そこへ向かう通路は、今も昔も同じ。
遥か上だった梁が、だんだん頭上に迫ってきて、いつしか危ない高さ(低さか)になったとき、大人になっていた。


中央改札を出ると、あの大きな壁画。
それは変わらずそこにある。
駅も街もすっかり変わってしまって「今」になったが、壁画はそのまま。
「ただいま」と言いそうになる。


きよしさんのライブは、そのギターとお声が発せられた瞬間から、ああ、やっぱりきよしさんだと、胸が熱くなる。
以前、二回ご一緒して、デュエットした歌も。
またぜひ。
そう約束しつつ、お別れする。
きよしさんは、これから京都に帰られるのだ。

きよしさんの歌には自由がある。
かぐわしい知性がある。

そういえば。
上野駅の壁画、タイトルが「自由」だったなあ。