大雪警報が出された昼間、渋谷に行く。
さすがにハチ公前にも人は少ない。
用事を終え、すぐにル・シネマへ。

映画館に行くのは久しぶり。
「モリコーネ」というこの作品の原題は「エン二オ」。
イタリアの映画音楽の巨匠、エン二オ・モリコーネのドキュメンタリー。
いろんな人の証言で構成する証言系ドキュメンタリーなのでがっかりしたが、本人も出てくるので良し。

さすがのモリコーネ。
マカロニウェスタンからヒューマニズム映画まで、素晴らしい。
昔、よく口ずさんだ「死刑台のメロディー」の主題歌も出てきたし、ミーナの歌唱場面まで。

私たち世代は、映画音楽で育てられたと思う。
魅力的なメロディーが溢れていた。
「汚れなき悪戯」の「マルセリーノの歌」では号泣したし、「道」の主題歌は、今でも聞くたび泣きそうになる。
(私の中では、この曲が映画音楽ナンバーワンなのだ)

イギリス映画の「コレクター」の音楽はこれまた最高だった。
初めて聞いて、一生懸命覚えて、よくもまあそんな意欲があったものだと思う。

ニーノ・ロータ、モーリス・ジャール、そして、モリコーネ。
なんと多くの至福をくれたことか。
感謝感謝感謝いっぱいだ。

今、やっぱりメロディの美しい、というかメロディがちゃんと際立ったものが好きで唄っているのは、やはり映画音楽の影響かもしれない。


それにしても。
やっぱり大きなスクリーンで見る映画はいいなあ。
美術館はむずかしくなったけど、映画館なら、まだ何とかなる。
見てからでも親のところに行く余力はありそうだ。

ああ。高校をさぼって朝から晩まで映画館にもぐりこんでいた日が、宝物のようだなあ。
いや、あれは宝物そのものだった。