父親のホームでインフルエンザ患者が一人出た。
というのを聞いたのは、先週。
そして、それが6人になり、ついに父親も。

なんてえこった。
数年前にも、かかったことはあって、その時には病院に連れて行って点滴を受けた。
翌日にはけろっとしている。
元々体力も回復力もある人なのだ。

でも、どうなんだろう今回。
「点滴してください」と言うと。
それは施設ではできないとの答え。
内服薬のみ。

病院でしか点滴の類ができないんだろうか。
でもそりゃあおかしいだろう。
栄養剤だって薬だって、処方があって看護師がいるならできるだろう。
なんたって相手は老人ばかりなのだ。

とまあ、いろいろ腑に落ちないことがあるが、それを電話口で言うことは控えた。
職員さんの疲労困憊な声に、控えた。
逆に「父も歳が歳ですから覚悟はしています」などと、言ってしまう。
すべてはこの事態収束の後のことだ。

インフルエンザの学級閉鎖というのはよく聞く。
子供を学校に行かせない、団体生活の危険から守る手段。
でも老人施設の場合、それはできない。
家庭に戻ってくることはできない。
そうか、そういうことだったんだ。と、今さらに気づく。

団体生活。
人生の最後を、そこで送ること。
この意味を、肌身で知ることになった。