故郷を意識することは少ない。
いや、少なかった。
それが歳と共に、なんだかルーツのようなものを意識するようになってきて、それが故郷だった。

昨日、茨城の東海村に行った。
「げんでん」が主催されるコンサートがあったからで、出演者は、それぞれ茨城に関係している方々。
和楽器の長洲さんは、まさに東海村近くにお住まいだし、ギター奏者木村大さんは土浦、オカリナの宗次郎さんも常陸大宮に住まわれている。

私はというと、両親が水戸。
子供の頃、長い休みのたび帰っていた。
まさに「帰る」という感じで、祖父母も健在だった。

とはいえ、住んだこともなく、でもたまに仕事で水戸に行くとわあああと思い出が蘇り胸がいっぱいになるくらい。
でも、それが故郷なのだろう。

この頃ふと思う。
老親を送ったら、その骨を持って、水戸に行こうか、帰ろうか。
そんなことを考えてしまうなんて、つい半年前には予想もしなかった。
ニンゲンは不思議だ。
いや、鮭や亀と同じに、生まれた場所に帰ることを思うのは本能の一つかもしれない。


昨日、熱いくらいの陽射しのあたる楽屋についたら、美しい花があった。
え、誰からと確認したら、イトコだった。
水戸で酒屋をしているイトコ。
ああ、うれしい。
元気にしてるのかなあ、大震災では店中の酒が落ちて割れて。
たくさんの修羅場をくぐって店を守ってるイトコ。

がんばれイトコ、がんばれ故郷。
フレーフレーな気持ちが湧く。

さ。
今日は神戸。
来月に迫った松本隆さんとのコンサートの宣伝に行く。
故郷の東京から、関西に移られた松本さん。
お会いするのは久しぶり。


「志を果たして いつの日にかえらん」
昨日最後に唄った「ふるさと」。
この箇所を唄うといつも涙が出そうになる。
昨日もやっぱり。