ちょうどウクライナ侵攻と時を合わせたように開かなくなったアゴ。
その治療がやっと終わった。

本当は、もっと早く終わるはずが、なんとまあ間の悪いことに、肝心の歯の歯茎が赤くなってしまっていた。
膿もたまっているかもしれないと、最終治療を延期。

そして、この腫れた歯茎の原因が。
サバの塩焼きの骨。
母親の取っている宅食弁当のおかずだったこのサバ。
金華サバという美味なものではあるが、なんせ母親は魚嫌い。
もったいないと私が食いついたが、小骨がこの時に限って痛い。どこかに刺さった。
それがまさか。

それでも、やっと治療を終え治療台でボウとしていると、電話。
父親の病院からだ。
手術の終わった父親と電話をツナゲテくれようとしている。
いやいや、こっちも病院なんですけど。という間もなく、父親の声。

「ムスメか。クミコか」と弱々しい声がするが、返事が届かない。
「あたしだよ、パパ、あたしだよ」
耳が遠い。聞こえない。届かない。
間を取り持ってくれようとする看護師さんに謝り、電話を切る。


まあ、とにかく。
魚の骨には気をつけよう。
って、なんだかどうも。