父親のホームへ行く支度の途中だったので、腰を落ち着けて見てはいられなかったのだが。
「徹子の部屋」に美輪さんが出ていらした。

パーキンソン病を患われているという。
この病は、永六輔さんの病でもあった。
自由闊達に話しをされる永さんの言葉が、遅くなった。
それでもラジオを続けていて、そんな姿の永さんを見たくない聞きたくないと思うリスナーも多かった。

でも、永さんは続けた。
どんな姿であっても、続けた。
入院されている病室からも続けた。
一つの仕事をし遂げるというのは、こういうことだ。
凄絶壮絶なものなのだ。

美輪さんも、また、その道を歩いておられるようだった。
カラダは思うようにならなくてもココロは屈しない。
そんな心意気が伝わってくる。
「銀巴里」の大先輩の姿は、ヤワな後輩を励ましてくれる。

そのヤワな後輩は、どんどん歌詞覚えが悪くなって往生している。
思えば、美輪さんは最近まで三島由紀夫作品で舞台に上がっていた。
再演であっても、膨大で難解なセリフたち。
そして、徹子さんも、数年前まで車椅子の設定に変えて、新作芝居をされていた。

このかたたちは、とんでもない。
永さん、美輪さん、徹子さん。
ああ、とんでもない。

とんでもなく素晴らしい先輩たち。
誰もが、大きな北極星だ。