先週、トンデモタクシーに当たってしまったので、母親はタクシー恐怖症になったようで。
でも、こんなこと、いくらでもあるのだと言い聞かせ、またタクシーを呼ぶ。

とはいえ、もうい加減ヘキエキしたので、友人から教えてもらったタクシーアプリに変えた。
GOというもので、これは、そのたび客の評価があるため、めちゃくちゃなドライバーはいないらしい。
評価も良い。

こういったことが苦手などとはもう言ってられない。
80才を過ぎてゲームアプリを開発している女性もいるのだ。
90才で筋肉を鍛えている女性だっている。
こうしたスーパーおばあちゃん(いや、おばあちゃんなどとは失礼な)を思い出し、がんばる。

やってみるとナントカなるのだ。
スムーズにタクシーはやってきて、しかも丁寧。
ネット決済なので、そのまま降り、母親もすっかり安堵している。
そしてなんということか、これまでで一番安い!
なんだこりゃ、である。


父親は、どうも涙もろい。
今日は朝からちょっと情緒不安定のようで、とホーム長さんが言う。
事実関係がわからなくなってはいるが、考え方とかはしっかりしている。
それを人生観といってもいいかもしれない。

「これまでやってきたことは、良かったんだよね、間違ってなかったよね、うまくやってきたよね」と問う父に。
「もちろんだよ!父さん、ばっちり。すごいことだよ!」
と称賛する。
じっさい、称賛する気持ちは、強くなった。
お見事です、といってあげたくなる。

でも、父親のいつも一番の心配は母親のことだ。
一人にさせてしまって申し訳ないという気持ち。
まあ、こんなに思われている母親は、ほんとに幸せだ。
と、基本、お姫様体質の母にイライラしている娘は思う。

それにしても。
やはりこの気弱さは、歳による衰えなのだと思う。
毎回毎回、会うたびにへーとかホーとか、いろんなことを思う。
同じということがない。
毎回ちょっと違う父親だ。
似た種類はあっても、それぞれ違う。
ニンゲンは、こういうフクザツな感情をきっと死ぬまで持ち続けるのだろう。


こんなふうにいろんなことごとも、きっとあと数年で終わる。
その時まで、しっかりせねばと思う娘だ。