テレビをつけたら俳優の仲野太賀さんが出ている。
このひと、好きだなあ。
役者としての根本はいくつかあるだろうが、まずきちんとした声を持っているのがいい。
大声をきちんと出せる、声のコント―ロールができる。
こんなこと、当たり前と言えば当たり前だけど、最近の朝ドラで、聴いてるだけでコチラが恥ずかしくなってしまう声や演技を見ては、へきえきしていた。

役者さんの真価はナレーションでわかる。
映像がない声だけなので、その人のスキルがもろに出る。
息継ぎとか声の抑制とか、こんなに上手いアナウンサーがいるんだ、くらいの実力がいる。

これはなかなかむずかしい。
でも、完璧な人がいる。
山田孝之さんだ。
「映像の世紀」を見たくなるのは、もしかしてこの素晴らしいナレーションのせいもあるかもしれない。
いかにも歴史の淵に立ったような、歴史の裁判官のような。
そんな威厳さえ持つ。
感情を出さない、取り乱さない、淡々とこれ以上ない滑舌とイントネーションで読む。

これ、すごいことだよなあ、あの若さで。
と、毎回感心する。
アナウンサーの人でもかなわないスキルと存在感。


で、先だって仲野太賀さんのナレーションも聞いた。
やはりうまかった。
きっともっとうまくなるだろう。
声は役者の第一歩。
顔とか雰囲気だけで、できるもんじゃない。
本当に大変でシビアな仕事だと思う。


こうして、20代30代の若者が活躍しては、私たちを楽しませてくれる。教えてくれる。
こっちも、まだまだ一生懸命精進せねばなあ。
精進、精進ですなあ。

さて、これから父親の三か月に一回の病院検査。
なんか緊張するなあ。
緊張も精進のうち。
なんだかわからんが、そう思って行ってきます。