新幹線に乗っている。

ここまでの在来線は、通勤電車で女性専用車だった。
もちろんいっぱいで、私もつり革にぶら下がっていた。
座っている女性たちは、年齢的には子か孫の世代。
寝ている人も、スマホの人も。

突然、なんだかじーんとしてきた。
並んだその白っぽい顔たちを見ているうち、なんだか目が熱くなってきた。

みんな、こうして働いているのだなあ。
もちろん、男性も大変だけど、女性には女性だけの苦しみがある。
毎月ごとの生理。

これがどれだけ負担なことか、これはやってみなきゃわからない。
人によって軽い重いはあるにせよ、この生理によって月日が回る。左右される。
普通の気持ち、ってのがどういうものかわからなくなるほど、ジェットコースターのように上下する、それにホンローされる。

一週間、おそらく、それが安定した時間だったように思う。
気持ちだけじゃなく、カラダも。
同じカラダとは思えないほど変わるのが生理だ。
昨日と今日がまったく違う。
アスリートの人たちを見ていたりすると、その苦労を思うと、女性の十字架の過酷な重さを感じる。
好不調の波が、おそらく男性とは比較にならない。

月のもの。
そんなふうに呼ばれた生理。
子供の頃、母親に「ねえ、ナプキン代なんて国が出してくれればいいのにね」と言った記憶がある。
一笑にふされた。
今、その生理用品代に困る人もいて、国の補助が考えられていると聞く。

月ごとに、月のものに振り回される女性。
もう少しだよ、もう少しの辛抱だよ、と思う。
私など、のたうち回って、床にへたって辛抱したけど、今はまるで天国。
終わった時から、やっと物事を落ち着いて考えられる人生が始まったのだよ、と思う。
だから、もうちょいがんばれ。

そうこうしているうち、東京駅に着いたのだった。
新幹線乗り場には、この日のために用意したのであろう服を着た中高年の女性たちも。
みいんな、生きている、生きてきた。
女性だけの荒波も、それぞれの荒波も、みんなサーフィンのように越えてきた。

そのかたたちを先に、その後に乗り込む。
さて、富士山には会えるだろうか。

これから京都、大阪とキャンペーンにうかがいます。