昔。有名な芸人さんと離婚した女性が言ったこと。
「毎日届く宅急便がこわかった」
これ、その当時も、その気持ちがよくわかった。

もちろん私の家など比じゃないけれど、それでも、ちょっとした荷物が来るたび、ココロもカラダも重くなった。
一人で、箱を開け、中身を取りだし、それを冷蔵庫に入れたりどこかへしまったり、あるいは、お裾分けする相手を考えたり、それから、箱をたたみ、古紙回収の日に出す。
これらのすべてを思うだけで、もうずずずとカラダごと沈んでいく感じがした。

その当時は、もちろん今より若く体力もあったのに、宅急便の憂鬱はあった。

そして今。
送るほうも、どんどん変化して、簡単包装になった。
なので、ネット注文は、怖くない。
それにいつしか慣れていた。

ところが。
先だって、フロアランプを注文したら、でかいダンボール箱が届いた。
あ、そうだった、やっぱりこうだった、と焦る。
デカい箱を前に、しばし呆然とし、でも、そのままでいたら一生そのままなのが一人暮らし。

大きく息を吸い込み、焦るなあわてるなと何回も自分に言い聞かせ、一つ一つ丁寧に開けていく。
なんせ、チカラも不足してきたので、段ボール開封だけで手間取る。
フロアランプは、家具といっていい。
小さいけど、重さがある。
上と下とをつなぎ合わせねばならない。

呼吸を整えながら、一つ一つがんばる。
段ポールを全体重をかけて平たくたたみ、中の紙たちをそれぞれ整え、古紙回収用にする。
そうして小一時間。

ツカレタ。やっぱりツカレタ。すごくツカレタ。

私のように一人の中高年女性はたくさんいると思われる。
そこで、お願いです。
ちょっとでも組み立てのいる品物は(たとえ10分程度と書かれているモノでも)、どうか組み立てサービスを加えてください。
それにお金がかかっても、もちろんいいのです。
開けて、組み立てて、そうしてそこで出たゴミを全て持ち帰っていただく。
ナニゴトもなかったかのように終わる。
そのサービスをしている業者もあるけれど、それをどこでもお願いします。


たかだかこのくらいのもの、と思われても、そこがうまくいかないのが私たち。
ペットボトルでさえ、その形態によっては全然開かないこともあるくらいのチカラの無さ。
組み立ての説明書さえ、字が小さくて難儀します。

もう弱者だなあ。とため息。
こういう時のために孫などいればよかったと、本末転倒なため息をついてしまうのですなあ。