一日、一人。
外に出ない。

こんな日はめったにない。
うれしい。
電力ひっ迫でも、うれしい。
弱くしたストーブを抱えるように、過ごす。
うれしい。
それでも、うれしい。

録画していた「シャーロックホームズの冒険」を見る。
露口茂さんの声に慣れているので、追加シーンでの新たな声とのギャップに、いつまでも慣れない。
当時は、この露口さんの声が、今一つ好きではなかったのに、今は、まさにこの声なくしてはという感じになっている。おもしろいものだ。
きっと、当時はまだ露口さんというと「太陽にほえろ」にニヒルな刑事というイメージがあって、ホームズと二重写しになってしまっていたのだろう。


それからケーブルテレビで、「ジュディ」。
ジュディ・ガーランドの晩年を描いた作品。
主演のレネー・ゼルヴィガーがアカデミー主演女優賞もとったし、この女優さんは好きだけど、こういったものの定番的な作り方が、今一つ。
それに、やはりㇾネーがいくらがんばっても、たとえ晩年のジュディであったとしても、本人の歌唱をまねるのはむずかしい。
ぼろぼろになっても、ジュディはジュディだったはず。


そんなこんなしているうち、夕方になり夜になり。
停電を気にしながら風呂に入り、ストレッチをして。

一日一人。
そう日誌に書いた。
一日一人。
これでお休みが終わった。

窓を開けると月が出ていた。
卵の黄身が崩れたような月だった。