「シティ・ボサ」のライブ。
ビルボードライブ東京での二回公演。

昨年にリアレンジでリリースした「十年」のアレンジャーが、ブラジルと日本との架け橋となっているレナートさん。
このご縁で、一曲ゲスト出演となった。

レナートさんには、二つの国の血が流れている。
メンバーやスタッフや歌い手さんも、まったくのブラジルの人や、やはり日本人とのハーフの人や、さまざま。
言葉もポルトガル語や英語や日本語や、さまざま。

この「さまざま」は、やっぱりいい。
コロナ禍で、外国との行き来ができなくなり、さまざまが減った。
「十年」のアレンジでも、リモートワークで重ねられた楽器もある。
まさに地球の反対側から音が届いたのだ。


ボサノバのどこか抑制された快感と、サンバのほどかれた自由の快感と。
リハーサルから、ココロが踊る。
カラダも揺れる。
まさに音楽。

でも、ブラジルの若い人はもうこのボサノバを聞かないらしい。
ボサノバは、もっぱらおじいちゃんやおばあちゃんの楽しみらしい。
まあ、そんな。
なんてもったいない。

陽気でありながら哀しいボサノバ。
陰と陽、光と影、どちらもが同時に味わえる音楽。


「十年」をこのボサノバテイストで、しかもブラジルのかたたちとご一緒できたのは、幸せだった。
ビートが裏打ちなので、だるそうで、甘美で、ダークで。
その中に気持ちを入れ込む具合の、その具合が微妙。
これがもうしびれちゃうんだなあ。
歌い手やってて良かった。

また勉強させていただきました。
またさまざまな方たちと、さまざまなことをしたいです。
それには、健康と平和あってこそ。

どちらも危うい昨今、なんとしても希望の光を見つめていないと。
しっかり見つめていないと。