ここ数日、夜中に目が覚めて眠れなかった。
睡眠の薬を飲んでも目が覚める。
胸がどきどきする。

これ、ちょっとヤバいなと思った。
こういうのは、あの東日本大震災以来だ。
あの時は、石巻で遭遇し、そこから帰ってきたわけだけど、長い間、ココロが元の状態に戻れなかった。

「感情失禁」という言葉を、父親のホームで知った。
ぼたぼたと泣く父親に驚き、どうしたらいいとホーム長さんに聞くと、こう答えられたのだった。
自分で自分の感情がコントロールできない、それが認知症のある人には現れるというもの。
でも、それって、今の私もおんなじじゃん。

人の心はもろい。
震災のあと、被災地との距離をとることができなかった。
距離をとることは、そこにいたことのある人間として、絶対してはいけないと思った
だから、目も耳も塞ぐことはできなかったし、被災地に通った。

その時のことが、今、ウクライナのことで溢れ出ている。
デジャブのようだ。
何とか修正したはずのココロの割れ目が、ぱっくりと開いてしまったようなのだ。
あの時のあの家族は、あの子供たちは、現地通訳ガイドのアリョーシャさんやビーちゃんや、そして、あの建物は、あの広場は、あのホテルは。
次から次へと、目の前にキエフ、ウクライナが現れる。


胸がどきどきして涙が溢れて、眠れなくなる。
これって「感情失禁」じゃん。

震災の時と違うのは、耳と目をふさいでいることだ。
しっかり目も耳も開けなくちゃいけない、と思いもするのだが、今はそれができない。
とりあえず自分を守らなくちゃと、自分に言い聞かせる。

でないと歌が唄えない。
唄えなくなってしまう。
仕事ができなくなってしまう。


なんだか、また危機なんだなあと思った。
アゴのこともあるし、肉体的危機と精神的危機のダブル。
もうコワいもんなしだなあと思う。
マイナスとマイナスはプラスに変わる。
負けるもんか。
ぜったい、負けるもんか。


でも。
でも。

プーチン。
くたばれ。