時々、日本映画専門チャンネルを見る。
映画じゃなく、古いテレビドラマも多い。

そうすると、この30年とか40年で、世の中がどのくらい変わったかにビックリする。

先だっては、三角関係になった愛人が、「あなたがいなくなったら私はどうして生きていけばいいの」と言って泣いていた。
そんなこと、自分で考えろよ、とテレビ画面に突っ込む私は、今の時代、たぶんフツーだろうと思う。

今、そんなこと言う女などいない、と私は思う。
人の人生ごと生きなきゃならない男もタイヘンだし、しかも相手は愛人。
いやいや、愛人がどうのこうのじゃなく、今は誰でも、みんな一人一人がんばって生きている。
結局、一人一人がんばるしかない。そんな意識はみんなが持つようになった。
妻だって愛人だって男だって女だって。


そうだなあ、でも、こういう感じだったな、とその頃を生きていた私は、思い出した。
ウーマンリブ運動とかで、一気に女性の権利意識が高まった時代だったけど、じつのところ、「あなたなしでどうやって生きていったらいいの」と聞く女性に違和感もなかった。
そんなドラマが普通だった。


やっぱり時代は変わったんだなあと、しみじみ思う。

60年代、70年代、80年代、と成長期にあった日本が、それから一気に苦しい時代に入る。
天変地異も重なり、もっともっと苦しい時代になる。


誰も誰かに頼れない、自分のことは自分で考える。
そんな気持ちは、時代の流れの中で、みんなが知ったことなのだろう。


で。
さっきのテレビドラマの愛人は、恨んで自殺するのだ。
こうして自分が死ぬことで、相手の男に一生忘れられない存在になるという、その理由で。
人を恨んだり妬んだりして死ぬなよ。
もっと世のため人のための生き方あるだろ。
自分の人生は自分のものだろ。


突っ込みどころ満載の、昔のドラマ、いいなあ。