そろそろ寝る準備。
と思っていたら地震がやってきた。

がしんがしんと揺れる。
モノの落ちる地震だ。

それでも、あと少しで終わる、と思う自分がいる。
そんな楽観的な予想で生きている。
でも、少しで終わらないこともある。
そんなこと、経験してるのに、もう忘れてる。
忘れて、もう少しで終わると思ってる。


幸い、地震は収まり、さあどうしたものかと思ったが。
なぜか、ほんとになぜか「想いの届く日」という歌のタイトルが浮かんできた。
まったくくわしくないタンゴなのに、この歌が好きだ。

まず、この曲名がいい。
もうこれだけで、泣きそうになる。

iPadを開けて、YouTubeを探す。
なかなかしっくりくるものがない。
そんな中。
いかにもラテンなセクシーな男性の歌。
全部インテンポで、ポップスになっている。

この人、上下の歯の間にスキマがあって、これがまたセクシー。
歯並びの悪さを魅力に変えられるのもパワーだなあと思いつつ、うっとりする。

それからこの人の歌を次々聞いていく。
若い時のものも、おそらく最近のものも。
無敵だった若さから、中年に入って翳が出るのに、歌は進化していく。
そういえば、フリオ・イグレシアスもそうだったなあと思い出す。

やっぱり歌は中年からなのだ。と意を強くする。
いや、中年を通り越して老年かもしれん。
いずれにしても中高年はスゴイのだ。

そんなことをしていたので、すっかり地震を忘れてしまっていた。
石巻の知人の方々から届いていた心配のメッセージを開き、あわてて返信。

そうだった、地震だった。
でも、どんな最中でも、たとえ、瓦礫の中であっても、胸に「想いの届く日」を抱いていればいい、とそんなことを思った。
死ぬ間際にも、こんな歌が胸に流れていればいい。


あ。
この男性歌手はルイス・ミゲルさん。
グラミー賞を五回も獲った人だそうで。
ただ、肝心のスキッ歯は、今はもうきっちり治して白く輝いています。
なんか。。。残念。。。