メイクのカマちゃんのおばあさまは102才で亡くなったという。

驚いたのは、おばあさまが一人暮らしだったということだ。
自分でご飯をつくり、掃除をし、買い物をし。

「おばあさまって、カラダがしっかりしてたの」と聞くと。
「90度に腰が曲がってました」

その90度のカラダでの一人暮らし。
その胆力に驚く。


「一番驚いたのが、100才の時に、自分で予約して白内障の手術に行ったことです」
「おおお」
「あの曲がったカラダでどうやって手術台に乗ったのか不思議です」
「おおお」


それでも、カラダのあちこちに滞りが出てきて、施設に入り、あっという間に亡くなったという。
最後まで、自分の意思を通した見事な人生。


お会いしたことはもちろんないが、90度に曲がったカラダで、玄関先の掃き掃除をする姿が見えてくる。
日々の暮らしをきちんと送る、一人の女性の姿が浮かぶ。


一人。
これを寂しいと思うか、自由と思うか。

私は一人暮らしが好きだけど、この頃は、「その後」のことが気になる。
カマちゃんのような孫でもいればいいけど、誰もいなければ、いろんなことごとの始末を考えておかねばならない。

あ、ぽっくりいっちゃいました、では済まない不自由さがある。

自由と不自由は背中合わせだ。


それにまず。
老親二人を見送ったあとの始末がある。
それを想像しただけで、疲れがどっと押し寄せる。
どうか、そこまで私をモタセテくださいと、神に祈る気持ち。


今日は終戦記念日。
カンカンに晴れた暑い日ではなく、身の危険を感じさせるほどの雨が列島を襲う。
気持ちがどうも上向かないのは、このせいか。

皆さま、どうかお気をつけて。