うな重を持って、親のところに行く。
私は、半分くらいで、挫折。

奥歯が突然欠けて(そりゃあ、なんでも突然だよ)、入れてもらってから、どうも徐々にかみ合わせの不具合。
このところ、左頬に痛みが出てモノを噛むのがつらい。

そんなこともあり、うな重の途中で、吐き気がしてしまった。
なんとまあ、ナサケナイ。

もったいないけど、残りを始末する。
お米さん、うなぎさん、ごめんなさい。


うちの両親のすごいところは、食欲のあることだ。
これだから、二人そろって長生きをしているのだろう。

ご飯は美味しくないね、と言いながらも、完食した母親。
「初物は三年寿命が延びるっていうしね」

後片付けをしながら、「そりゃあ困る」と、私は小さくつぶやく。


親の残り時間と、私自身の残り時間が、重なる。
朝、失礼な表現だけど、飢餓難民みたいな、自分のカラダを鏡で見て驚いた。

あちこち骨が出ている。
老いた鳥のようだ。
良いスープはとれそうにない感じ。



反対に、両親の増大化するお腹まわり。

でも、その反対に、足は弱るから、父親の筋トレをする。
お腹からずれおちる短パンを引きあげなから、一生懸命やっている父親を見ると、やっぱり生きるには「執着」が必要なんだなあと思う。


戦争を生き抜いてきた両親には、その執着がある。
強さがある。

まあ、私は無理だなあ。
と思いながら、自転車で介護保険更新に行く。

帰り際、担当の女性が「お体大切に」と言ってくれる。
汗みどろの私が、よほど、哀れにみえたのだろうか。

この夏も、なかなかにしんどいなあ。