夕ご飯を食べて。
あんまり暑いので、ビール一缶をぷしゅと開け。
そしたら、いつの間にか、床にひっくりかえって寝ていた。

つけっぱなしのテレビから、何ごとか聞こえる。
うすら目をあけると、どうも柔道をやっている。
そのままうすら目で、ひっくりかえったまま見てると。
日本の大きい人が勝った。
相手はジョージアの人だといっている。

ジョージアといえば、「百万本のバラ」の国じゃん。
歌のモデル、ニコ・ピロスマニという画家の国じゃん。

など、ぼんやりしてると、ようやく、その試合がリアルな決勝戦だとわかった。
どうせ、録画だろうと思っていたので、ぼうと見ていたけど、そうか、これはリアル決勝なのね、とちょっと感動した。


勝った日本の人は、耳がいかにも柔道家らしく曲がっていて、うれしいのだろうけど、抑制した話し方をした。

その後ろに見える無観客の客席が、本当なら、どれだけの人がいたことだろう。みんなに応援してもらいながら、その渦の中で、みんなが闘ったはずなのにと思わせた。


でも、やはりオリンピックは曲がり角にきているのだろう。
神聖とか伝統とかいっても、あのバッハ氏の顔がすべてを物語る。
(だいたい、聖火リレーだって、ナチスがはじめたものだし)

四年に一回。
だから、すごい。
というけれど、もしかしたら、それも権威づけかもしれん。

毎年でも二年に一回でも、やればいい。
会場は、ギリシャのアテネだけでもいい。

そりゃあ、ただの選手権ですわ、といわれれば、まあそうだ。
四年に一回だからこそドラマが生まれる。といわれれば、まあそうだ。


でも、いいんじゃね。
と私なんかは思う。

私なんかは、まあ、不良おばさんみたいなもんだから、そんなんでいいんじゃね、と思う。

こんなユルい人ばかりだと、どうにもしょうがないだろうけど、まあ、それでもいいんじゃねと、また思ってる。


より早くも、より高くも、より強くも、なにもないまま、またビール飲んでひっくり返るんだな。