高校の同級生が嫁いだ島根では、雨が降り続いている。
宍道湖に注ぐ水が濁流になったとか、車を高台にうつしたとか、すぐそこまで来ている水への恐怖が、メールから伝わる。

熱海のあの映像が、大震災の時の津波と重なって、心臓がどきどきする。

自然て、なんてコワいんだろう。


そんな中、昨日、歌稽古をした。
ショーと名付けてある公演なので、こりゃヤバいと思ったら、案の定、いろんな歌が出たり入ったりで、目がくるくるする。
決まり事が苦手な私は、またドキドキが止まらない。
レパートリーにあるものが一曲も、ない。

ソロで唄う有名なシャンソンも、ナンチャッテシャンソン歌手は、唄ったことがなかった。
なんとまあ、ナサケナイ。

それはきっと天童さんとて同じ。
いわゆる「十八番」がない。
それでも、挑戦する姿に、私も頑張らなくちゃなあと思う。

頼みはミュージカルの土居裕子さん。
そして、男性陣ではル・ベルベッツの日野真一郎さん。
俳優でもある岡田浩輝さん。
男性グループのブレイク☆スルー。

いやいや、こうして頼っていてはいかんのだ。
堂々と、たとえ間違っても大きな声を出すのだ。

そう思いながら唄う。
またドキドキする。

音楽監督が大貫さんなので、心強いのだけど、自分のどんくささには呆れる。

昨夜は、くたくたになって寝たものの、途中覚醒。
不安になって、譜面と台本の確認をした。
もう4時になっていた。


目の前のことを一生懸命にしなくちゃ。と思う。
でも、目の前のことは、けっこう多くて、老親の世話も、雨のせいでなかなかスムーズに行かない。


歌のことだけ考えていればよかった日々を、ちょっと懐かしく思ったこともあったけど、今は、もうそれもない。
どっちも、ただ一生懸命やろう、そして、できなくなったらその時考えようと思うようになった。

それって、歌をお休みすることの可能性でもあるけど、人生って、長い。
お休みが、そのまま人生のお休みにはならないだろう。

コロナで、「ままならない」ことばかりを知ることになって、大きいスパンで歌のことを考えることもできた。


命あっての物種。
生きてる間、生かされてる間は、ただ懸命に生きよう。


そうでないと、生きたかった命たちに申し訳ない。


と、まだまだ続く雨とコロナの中、その向こうにきっと広がってるはずの青空を夢見る。

早く、すっきりとした青空になれ。