大坂なおみ選手が、記者会見拒否をし。
そして、自身が「うつ病」で苦しんでいることも明かした。

この病は、心が風邪をひいた状態、とよくいわれるけど、それだけ誰にでもかかる病だろうと思う。

そして、そこから抜け出すのは、たいへんなことだ。
その人自身も、そしてそれを支える周りの人も、同じように心に傷を持つ。


私もそういう経験があって、相手のパニック障害から、その日々は始まった。
蕎麦屋の奥まった席で、湯気のたつ鍋をつついていたら、突然、その人の様子が変わった。
その時のショックはいつまでたっても残った。

なので、ずっとそのシュチェーションを避けようとしたのだが、どうやら本人は、そのことを忘れているようだった。
最近だったか、そんな話をするとキョトンとしていた。
そして、また蕎麦屋で鍋をつついた。


本当に忘れたのか、本能として忘れることをアタマが命じたのか。
人の心のことは、奥が深い。


私の父親は、このごろ歌を唄う。
口ずさんでいる。
民謡のようなものであったり、唱歌のようでもあったり。
その歌たちを、私は知らない。

母親に聞くと。
「そうなの、なんだかこの頃唄ってるの。この前はカラスの歌唄ってたわよ」

父親の「ボケ」は、今ちょっと違う局面に来ている。
日々、発見し、驚き、うろたえ、がっかりし、喜ぶ。
そんないろんなことがいろんなふうにある。
イヤになったり怖くなったりもする。


でも、唄う父親はうれしい。
幸せな気持ちになる。

神さまに感謝したくなる。