街角は、やっぱりステキだ。
こんな時代だけど、やっぱりステキだ。

昨日。
街道沿いに自転車で帰宅していると。
でっかい鳥の羽のような生き物が見える。
そのでっかい羽根の塊のようなものを、隣のオジサンがひょいと腕に乗せた。

まさか、鷹匠がこんなところに。
と思いながら、その人を追い越したら。

それは鷹ではなくミミズクだった。
でっかい真っ黒い目がこっちを見る。
行き交う人は、みんなそっちに視線。
マスクだらけの殺伐とした風景が、そこだけ色付きになる。



ややしばらくして、自宅近く。
ちっちゃい子供が、ひょいひょいと遊歩道を走っている。
おかあさんの手をすり抜け、冒険してるらしい。

その子供と目が合った。
「はーい!」と私は右手を上げる。
もちろん笑顔で。でもマスクで子供には見えないだろう。

子供を追いかけてきたお母さんは、インドとかパキスタンとかそういうイスラム圏の人のようで、顔を覆う被布から「スミマセン」と小さい声をしぼり出す。

ぜんぜんスミマセンじゃない。
可愛いなあ。
元気でいいね。

なんていうすべての言葉は飲み込んで、うふふと笑い声だけ伝える。
ちっちゃい男の子は、うれしそうに私を見上げてる。


私は、ちっちゃい子供や赤ちゃんを見ると、すぐコミュニケートしたくなる。
ウィンクしたり、いないいないばあしたり、手をちょこっとふったり、さまざまなことをしたくなる。

彼らは、まだ神さまの領域の生き物だ。
神さまに近い彼らに笑顔を返してもらえると、カラダの奥から喜びが湧く。
生きる命の水をもらったみたいだ。


ああ、出会えて良かった。
ミミズクも子供も。

エネルギー注入っ。

今日もマスクして出かけますっ。