朝ドラ「エール」。
戦争中の話になり、なかなかにつらい。
しかも今は外地インパール。

今日は、主題歌も入らない。
音楽は、みんなが口ずさむだけ。
これから、さあ、本番に向かって練習しようというところで敵に襲われる。

森山直太朗さん扮する、主人公の恩師も死ぬ。
「ごめんなさい、ぼく、なにも知らなくて」
と、錯乱する主人公が泣きすがる。

重いドラマは、敬遠される。
特に戦争を扱ったものは、きびしい。

私の子供の頃は、こういうドラマや映画ばかりだった気がする。
体育館で催される映画会には、沖縄や外地も含めて、子供には衝撃的な戦争ものも多かった記憶がある。

怖くて怖くて悲しくて悲しくて。
その感情のやり場がなくて、子供はみんな悶々としたはずだ。

今だったら、そんなもん子供向きじゃない、と一蹴されるような作品たちを、見せてくれた、いや見せられた当時の子供は、なかなかにシンドかった。


でも、その「悶々」や「しんどさ」が、今の自分のどこかを作っていることは事実だ。


どこか遠くで、誰かの名を胸で呼びながら亡くなっていった魂たちには、それぞれ名前があったこと。
魂には名前があるのだ。
一つ一つ、名前があるのだ。


主題歌の流れない朝ドラ。
音楽は、平和あってこそ。
朝からぼだぼだ泣かされ、ああ、困ったなあ。